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誤解を恐れずに言えば・・・ [ミュージカル]

 やっと、第4弾です。

前回の更新からあっという間に5週間が経過しました。

この間、mixiにもほとんど顔を出さず、皆さんにご心配をおかけしました。実のところ、大変忙しかったのです!!!新しい仕事、新しいプロジェクト、新しい企画がどんどん始まり、多くの方とお会いし、膨大に考え、行動する作業を繰り返していました。

更新を楽しみにして下さったみなさん、本当にごめんなさいm(_ _)m

さて、本題ですが、今私がここでやっている作業は、ある種の「マニュアル化」です。

 私は、マニュアルには2つの狙いが存在すると思っています。ひとつ目は、ファーストフードやファミレスにあるようなマニュアルです。つまり、経験の有無や多寡、知識や知能の程度にかかわらず、誰でもある一定水準の仕事ができるように作業工程が整理されたものです。

 もう一つは、今、私がここで書く事や日常のレッスンの中で行っている事。「ショートカット」です。長い時間修行している間に積み重ねられる「経験」と「知識」の、「知識」の部分を体系化して、能力ある人がある一定の期間をショートカットして先に進み、無駄を省くためのものです。もちろん、知識が経験と一体化したとき、初めて『技術』になるのですが、基礎になる考え方や理論を知っているのと知らないのでは、進歩のスピードに大きな差が出ます。

また、芸をやっている人ならたいていの方が経験した事があるように、世の中には桁外れの素質を持った人がいるものです。私が大学に入ったとき(今から30年以上前)、周りには異常に声のでかいやつやどれだけ歌っても喉を壊さない奴らがゴロゴロいました。ミュージカルの世界に入っても同じです。教わらなくても歌の上手いやつ、初めてちょっとしか経たないのにそれらしく踊れるやつ、思わず泣けてくる芝居ができるやつ・・・、いっぱいいます。

声帯は声帯筋の表面に声帯靱帯があり、その表面を更に粘膜が覆う構造になっています。私の粘膜はとても弱い。ちょっと悪い発声をすると、すぐに腫れ上がり内出血を起こします。声がかすれて出なくなってしまうのです。レッスンで弟子達の悪い発声を真似てみせるのはとても危険です。でもやっちゃいます。

しかし、世の中には非常に声帯に負担がかかる発声をしていても、長時間歌い続けられる人がいます。例えば、腕や足をちょっとぶつけるとすぐ内出血して痣ができる人もいれば、全く平気な人もいます。幼稚園や小学校低学年で、全く訓練を受けていなくても走るのがすごく速い子供ももいれば、悲しいほど遅い子もいます。(私は超鈍足でした!)

このように、体質の違いが素質の違いとも言えます。芸の世界、特に歌では素質のある人間しか生き残れないと言っても過言ではありません。しかし、それは無理な発声をしたときの話で、生理学的に正しい発声をしたら、傷む事もないので、誰でも続けられるし、上達する事ができます。つまり、マニュアル化をする事で、特別な素質に恵まれなくても、誰もが上達できる可能性を見いだす事ができると思っています。


さて、またまた前置きが長くなりました。

タイトルの「誤解を恐れずに言えば・・・」の意味をご説明します。皆さんは、発声の専門的な書物を読んで理解ができますか?また、大学などの授業にある「音声学」の講義を聴いて、きちんと理解できますか?

私が音声生理学の勉強を始めたときには、本を読んでもほとんど理解できませんでした。それは身体の仕組みに対する専門的な知識や、用語を知らなかったからです。例えば、喉頭(いわゆるノド)には三つの軟骨がありますが、外側から触る事ができないけれど、とても重要な役割をしている「披裂軟骨」の働きを説明しろ、と言われても、ほとんどの人ができないと思います。もちろん、医師や研究者は説明できます。しかし、彼らは声を出す訓練や歌う訓練をしていない場合が多く、また、訓練を受けていても「プロ」の段階に到達できるほどの技術になる事はなかなか難しい事です。ですから、科学的な解説はできても、それが身体の中でどう感じられるのか、例えば、横隔膜が「対抗運動」を起こしたときに、身体の中でどう動き、どう感じるか、その結果、声や歌がどうなるのか・・・、と言った事が説明しにくいのです。

そこでこのブログでは、歌う人が実感しやすい方法で(文章ですから限度はあります)、専門的な知識がなくても理解できるように一般化した言い回しや用語で書いてきます。ですから、医学的に見て説明不足だったり、あまりに簡略化した説明だったりすることがありますが、それは普通の人でも理解できるようにするための工夫だと考えていただきたいと思います。そこで、「誤解を恐れずに言えば・・・」と言うタイトルになったのです。

文章に書くと長くなりますね。話すとわずか数分なのですが・・・。

今日からのテーマは「呼吸」です。

 そこで、誤解を恐れずに定義すれば、息を吸う行為(前回書いた、商売で言うところの仕込み)は、胴体(体幹)の容積を増やす事だと言えます。横隔膜や肋間筋についてはまだ先に書きますが、とにかく、息を吸うには、入る部分の容積を増やさなくてはならないのです。商品を仕入れるためにはそれなりの倉庫がないといけないという事です。

 では、体幹の容積を増やすためにはどうしたらいいのでしょう?そこで、体幹で拡がる事ができる部分を考えてみます。骨がある部分は肋骨を除いて、基本的にほとんど拡がる事ができません。拡がる部分を「お腹」と定義してしまいます。そこは体幹の中で『骨のあるところ以外』と大雑把に考えると、下の図のようなイメージになります。そこに息が入ると拡がりますonakanoryouiki.jpghirogaru.gif
 『骨のあるところ以外』は何でできているかというと、そう『筋肉』です。後日、解説しますが、主に「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」などの『腹筋群』です。さて、もう一度筋肉の性質のおさらいです。筋肉は力が入ると『収縮』します。つまり「縮む」のです。と言う事は、腹筋群に力が入ると「お腹」は収縮してしまい、拡がる事ができません。

 ここは大切なところですから、繰り返しましょう。『腹筋に力が入るとお腹は拡がる事ができない』のです。拡がらなければ容積は増えませんから、息が入る事はできません。『実験1』では皆さんに実験していただきます。先ほど大まかに定義した「お腹」に力を入れて引き締めて下さい。そして息を吸ってみて下さい。・・・

 ほとんど息が入ってこないはずです。何度か力の入れ方を変えて、息を吸ってみて下さい。どちらにしてもほとんど息が入ってこないはずです。中には「胸」や「肩」が上がった事に気がついた方もいるでしょう。それについては「胸式呼吸」のところで解説します。

 では『実験2』です。「あご」がダラ~ンと降りるように開けて下さい。そして、お腹に力を入れないように、軽く息を吸ってみて下さい。・・・

 すると今度はお腹がふくらんだはずです。そう、「容積」が増えたのです。二つの実験を交互に何度か繰り返してみて下さい。その結果、お腹に力を入れると「息が入りにくい」、お腹の力を抜くと「息が入りやすい」事が分かるはずです。

 もし、この実験が上手く理解できない人は、仰向け(お腹を上に向けて)に寝た状態で同じ実験をしてみて下さい。今度はハッキリ感じられるはずです。あぐらをかいて座った状態や、浴槽の中でも分かり易いと思います。理由は「腹式呼吸と胸式呼吸の」の回でご説明します。

 さて、今まで歌を歌うときに「お腹にしっかり力を入れて」息を吸っていた方はいませんか?私のところに初めてレッスンに来た人は、ほとんどがその状態です。たいていの先生が『しっかり息を吸って』とか『深く息を入れて』などと教えるので、それを実行しようとするとたいていの人が腹筋に力を入れてしまします。その結果、逆に息が入らない状態を作ってしまうのです。

 もう一つだけ実験をしておしまいにしましょう。『実験3』 皆さんが大変良くやりがちな方法で息を吸ってみましょう。最初は、素早く息を吸ってみましょう。何度か繰り返して下さい。どうですか?息を吸う際に腹筋が固くなって、思ったよりずっと息が吸えなかったのではありませんか?

 次は、強くたくさん息を吸ってみて下さい。これも何度か確かめて下さいね。同じ事が起きませんでしたか?

 そして最後は、鼻から息を吸ってみて下さい。良く訓練されている方はすんなり息が入るかもしれませんが、大多数の方は、やはり腹筋が固くなって息が入りにくかったのではありませんか?

 『しっかりお腹に力を入れて息を吸う』、大変よく言われる事ですが、筋肉の性質「力が入ると縮む」を知っていれば、これが間違いだという事は簡単に理解できますね。ブレスが上手く行っていない方のほとんどが、この症状を持っています。『息を吸う』とは『体幹の容積を増やす』と言う事で、そのためには『腹筋群の力を抜く』事が絶対条件なのです!

 では次回から、もう少し詳しく呼吸を解説していきましょう。

 更新が遅れて本当にごめんなさい!

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