So-net無料ブログ作成
検索選択
ミュージカル ブログトップ
- | 次の10件

座って歌うと息が・・・ [ミュージカル]

いやはや、一ヶ月ぶりの更新です。

前回は姿勢によって吸う事の出来る息の量が変化するという話でした。

皆さん、実験してみましたか?
このブログの特徴は、内容を理解するだけでなく、実験してみて身体でも理解するところにあります。

さて今回は、座って歌う場合の呼吸について解説しましょう。

ミュージカルの場合、あらゆる姿勢で歌う事が求められますが、
初歩の段階では、最も力の入らない姿勢での呼吸を覚え、やがていろいろな姿勢に応用すると良いでしょう。

実際のステージでは座って歌う事が度々あります。
しかし、最も座って歌う機会が多いのは『稽古中』です。

いわゆる『歌稽古』と呼ばれる時間です。
この時間は、単に曲の音取りだけでなく、作品中のナンバーをどうしたら要求に応えられるよう表現するか?
それをいろいろと試す場でもあるのです。

また、歌稽古は4~5時間に及ぶ場合が珍しくなく、この最中に喉を痛めてしまっては元も子もないのです。
歌稽古をしっかりやっておかないと、後の「立ち稽古」や「振り付け」の時に、
どうやって歌ったらよいか分からなくなり、大変混乱します。

もちろん、歌稽古が終わったのに歌詞を覚えていなかったり、前奏や間奏が何小節あるか?
メロディーやリズムが曖昧、コーラスのハモりが怪しい・・・、などというのは論外ですよ!

ここがしっかり出来ないと、仕事や大切なチャンスを失う場合が往々にしてあります。
(私も昔はいい加減でした[あせあせ(飛び散る汗)]

座って歌う際には良い姿勢で歌いたいものですが、
自分のために、と言う事と、稽古中には歌唱指導や音楽監督、演出家などのスタッフが、 出演者の『取り組み方』を観察している事が多いので、『信頼を得る』ためにも、是非、実践しましょう。


そこで、立つ姿勢と同様に『どうやったらお腹に力が入りにくいか』を基準に考えていきましょう。

次の写真は、良い姿勢の例です。

sit_good.jpg

左は「足でも体重を支えている」ので、腹筋に対する負荷が減ります。
右は「肘でも体重を支えている」ので、さらに楽に呼吸できます。

座って歌稽古をしたり、自分で練習する際に座って歌う時、とても効果があります。
歌稽古の時には会議机が置いてある場合も珍しくないので、試してみて下さい。

また、立った姿勢より、腹筋への付加が少ないのと、足の筋肉が緊張しにくいので、
呼吸だけでなく、発声にも大変良い影響を与えます。


次は、よく見かける悪い姿勢です。

sit_bad.jpg

左の写真は、『上体が後傾することにより、倒れるのを防ぐために腹筋が緊張し収縮』します。
その結果として、体幹の容積を減らして呼吸を妨げます。

右の写真は、『深く座る事によって上体と足に挟まれた下腹部が圧迫さ』れ、
息を吸う際にお腹が拡がるのを妨げてしまいます。

実際に実験してみると、息を吸える量が大幅に違う事に気がつくでしょう。
さらには、悪い姿勢だと、吸った息の圧力が高くなって声帯の圧迫感を感じるはずです。
良い姿勢だと、息を吸うのも吐くのも、ともに楽に行えるはずです。

試してみて下さいね。
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

息をたくさん吸いたいのに・・・ [ミュージカル]

さて、約一週間ぶりの更新です。

これからボチボチ進めていきますので、皆さんもゆっくり実験してみて下さい。

前回はお腹に力を入れた状態腹筋を引き締めた状態)では、息を吸ってもほとんど取り込めない事が分かりました。

逆に、お腹の力を抜いた状態(腹筋を緩めた状態)にすると、お腹の容積が広がって息がたくさん取り込める事がお分かりいただけたと思います。

そこでもう一つ実験してみましょう。

★息を素早く強く吸ってみましょう → お腹が引き締まり、少ししか息が吸えません。

 何度か繰り返して実験してみて下さい。息を吸おうとすると腹筋がギュット固くなるのが感じられるはずです。

★柔らかく軽く息を吸ってみましょう → お腹の引き締めがあまり起こらず、お腹がふくらんで息が沢山入ります。

 これも何度か繰り返してみて下さい。強く吸うよりもたくさん息が入ってきたはずです。

              今度は逆も実験しましょう 

★腹筋に力を入れて固くした状態で息を吸ってみる → 少ししか息が吸えない。

 何度か試してみましょう。とても苦しいはずです。

★腹筋を柔らかくした状態で息を吸ってみる → 軽く吸っても息がたくさん入ってくる。


~ためになる話~

ところで、多くの歌の教師が言う言葉に『息をたくさん吸って使い切る。すると自然に息が入ってくる。』があります。
これは本当でしょうか?

ミュージカル「コーラスライン」の”ONE”は有名な曲です。その歌い出しはたった音符一つ「ワン」しかありません。そのためにたくさんの息を吸って、「ワン」で使い切れと言うのでしょうか?
また、有名な「レ・ミゼラブル」の”On My Own"の歌い出し、日本語歌詞では「ひとり」で、八分音符が三個だけです。そこでもたくさん息を吸って、使い切るのでしょうか?
そんな事はばかげた話で、実際には息を使い切れません。であるなら、必要な分の息を吸って、使えばよいのではないですか?

以前書いたケーキ屋さんの話、覚えていますか?たくさん作っては売れ残って捨て、またたくさん作って売れ残っては捨て、こんな効率の悪い商売は経営が成り立ちません。歌もこれと同じなのです。

必要な時に必要なだけ』無駄を省くブレスを覚えて下さい。『ご利用は計画的に!』


さて、もう少し進みましょう。実際に良い姿勢とはどんな形なのでしょう?

ここでは先ず良い例をご紹介しましょう。

good_position.jpg

よく聞く言葉に「足は肩幅に」というのがありますが、とてもいい加減な言葉です。私は絶対に使いません。何故なら、足の外側が肩幅の時、足の真ん中が肩幅の時、足の内側が肩幅の時、両足にすると30cmくらいの差が出来ます。

足を開きすぎると、体重を支えるためにより多くの力が必要になります。かと言って、足を閉じてしまうと左右方向の安定性が悪くなり、倒れまいと余分な力が入ってしまいます。一応の目安として、両足の外側が肩とほぼ同じ広さになるくらいの感覚で立ちましょう。

横から見ると私の足が前傾しているのが分かりますね。「股関節」を頂点に「かかと」と「つま先」で二等辺三角形を形成するように立っています。これが生理学的に最も少ない力で立つ事が出来る方法です。その上に「垂直な上半身」が立っているのです。

次に、悪い立ち方の例をご紹介しましょう。

bad_position.jpg

このような姿勢をとると、体幹(胴体)の容積が狭められて、息が入りにくくなってしまいます。

良い形と悪い形でブレスをして比較してみて下さい。

今回は立った姿勢ですが、次回は座って声を出す時の姿勢について解説しましょう。

★皆さんにお願い。

とにかく自分で実験してみましょう。とても明確な差が出来るはずです!
nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

2月1日(日)、やっと再開です。 [ミュージカル]

約半年間、このブログを更新していませんでした。

昨年は大変な困難に二つ遭遇し、それに伴い体調も悪く、ブログを書ける状態ではありませんでした。

万全ではないものの、やっと体調も回復し、これから少しずつ更新していきます。

お休みしていた期間に原稿を一冊書き上げましたので、それを元に新しい記事を書いていきます。

それともう一つ、『コミュニケーション』をテーマにしたブログを始めました。
楽天ブログでURLは http://plaza.rakuten.co.jp/atnoffice/ です。
こちらはためになるだけでなく、とても面白いと思いますので、是非お読み下さい。


さて、再開第1回目は「お腹の力」についてです。

「腹からしっかり声を出せ」「腹に力を入れて声を出せ」などと言われますね。

この『腹』については、本当に使うべきは『横隔膜』なのですが、ほとんどの方は『腹筋』を使う、と理解しています。
また、多くの教師も腹筋に力を入れる事を教えます。

私は『腹筋に力を入れてはいけない』と繰り返し生徒達に言い続けています。
また、『音声生理学』でも、腹筋の緊張は発声の障害になる事がずっと昔から判明していました。
しかし、お腹に力を入れる事をひたすら信じている方が多いので、ここでは具体的に「何故お腹に力を入れてはいけないのか」を解説していきます。

★お腹に力を入れるのは三つの邪魔

jyama.jpg


この図のように『呼吸』『発声』『発音』の妨げになります。『音程調節』が上手くいかないのもお腹に力が入るせいですが、この点は後ほど触れましょう。

これから解説する事は、画像を参考にして自分で実験してみて下さい。
実験してみれば書いてある内容が簡単に理解できるだけでなく、体感的にも理解できます。

次の図をご覧下さい。

breath_system-1.jpg


息を吸う事は身体の容積を増やす事です。(おおざっぱに言えば)
ところが筋肉の性質を考えると、力が入ると『縮む』『収縮する』ですから、腹筋に力を入れて引き締めると、身体の容積は大きくなりません。

breath_system-2.jpg


原稿に使っていた図を分割しているので、図のバランスが悪いのは許して下さいね。

では次の画像に沿って実験してみて下さい。
先ず、お腹に力を入れて「ギュッ」とお腹を引き締めた状態で息を吸ってみて下さい。

tight_body.jpg


次に、出来るだけお腹の力を抜いて息を吸ってみて下さい。

loose_body.jpg


これを何度か繰り返してみて下さい。吸う事が出来た息の量は「吐く事ができた息の量」で計る事が出来ます。
これを何度か繰り返して比較して下さい。

明らかにお腹の力を抜いた方がたくさんの息を吸い込む事が出来るのに気付くはずです。

次は、もう少しこれを深めてみます。






nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

誤解を恐れずに言えば・・・ [ミュージカル]

 やっと、第4弾です。

前回の更新からあっという間に5週間が経過しました。

この間、mixiにもほとんど顔を出さず、皆さんにご心配をおかけしました。実のところ、大変忙しかったのです!!!新しい仕事、新しいプロジェクト、新しい企画がどんどん始まり、多くの方とお会いし、膨大に考え、行動する作業を繰り返していました。

更新を楽しみにして下さったみなさん、本当にごめんなさいm(_ _)m

さて、本題ですが、今私がここでやっている作業は、ある種の「マニュアル化」です。

 私は、マニュアルには2つの狙いが存在すると思っています。ひとつ目は、ファーストフードやファミレスにあるようなマニュアルです。つまり、経験の有無や多寡、知識や知能の程度にかかわらず、誰でもある一定水準の仕事ができるように作業工程が整理されたものです。

 もう一つは、今、私がここで書く事や日常のレッスンの中で行っている事。「ショートカット」です。長い時間修行している間に積み重ねられる「経験」と「知識」の、「知識」の部分を体系化して、能力ある人がある一定の期間をショートカットして先に進み、無駄を省くためのものです。もちろん、知識が経験と一体化したとき、初めて『技術』になるのですが、基礎になる考え方や理論を知っているのと知らないのでは、進歩のスピードに大きな差が出ます。

また、芸をやっている人ならたいていの方が経験した事があるように、世の中には桁外れの素質を持った人がいるものです。私が大学に入ったとき(今から30年以上前)、周りには異常に声のでかいやつやどれだけ歌っても喉を壊さない奴らがゴロゴロいました。ミュージカルの世界に入っても同じです。教わらなくても歌の上手いやつ、初めてちょっとしか経たないのにそれらしく踊れるやつ、思わず泣けてくる芝居ができるやつ・・・、いっぱいいます。

声帯は声帯筋の表面に声帯靱帯があり、その表面を更に粘膜が覆う構造になっています。私の粘膜はとても弱い。ちょっと悪い発声をすると、すぐに腫れ上がり内出血を起こします。声がかすれて出なくなってしまうのです。レッスンで弟子達の悪い発声を真似てみせるのはとても危険です。でもやっちゃいます。

しかし、世の中には非常に声帯に負担がかかる発声をしていても、長時間歌い続けられる人がいます。例えば、腕や足をちょっとぶつけるとすぐ内出血して痣ができる人もいれば、全く平気な人もいます。幼稚園や小学校低学年で、全く訓練を受けていなくても走るのがすごく速い子供ももいれば、悲しいほど遅い子もいます。(私は超鈍足でした!)

このように、体質の違いが素質の違いとも言えます。芸の世界、特に歌では素質のある人間しか生き残れないと言っても過言ではありません。しかし、それは無理な発声をしたときの話で、生理学的に正しい発声をしたら、傷む事もないので、誰でも続けられるし、上達する事ができます。つまり、マニュアル化をする事で、特別な素質に恵まれなくても、誰もが上達できる可能性を見いだす事ができると思っています。


さて、またまた前置きが長くなりました。

タイトルの「誤解を恐れずに言えば・・・」の意味をご説明します。皆さんは、発声の専門的な書物を読んで理解ができますか?また、大学などの授業にある「音声学」の講義を聴いて、きちんと理解できますか?

私が音声生理学の勉強を始めたときには、本を読んでもほとんど理解できませんでした。それは身体の仕組みに対する専門的な知識や、用語を知らなかったからです。例えば、喉頭(いわゆるノド)には三つの軟骨がありますが、外側から触る事ができないけれど、とても重要な役割をしている「披裂軟骨」の働きを説明しろ、と言われても、ほとんどの人ができないと思います。もちろん、医師や研究者は説明できます。しかし、彼らは声を出す訓練や歌う訓練をしていない場合が多く、また、訓練を受けていても「プロ」の段階に到達できるほどの技術になる事はなかなか難しい事です。ですから、科学的な解説はできても、それが身体の中でどう感じられるのか、例えば、横隔膜が「対抗運動」を起こしたときに、身体の中でどう動き、どう感じるか、その結果、声や歌がどうなるのか・・・、と言った事が説明しにくいのです。

そこでこのブログでは、歌う人が実感しやすい方法で(文章ですから限度はあります)、専門的な知識がなくても理解できるように一般化した言い回しや用語で書いてきます。ですから、医学的に見て説明不足だったり、あまりに簡略化した説明だったりすることがありますが、それは普通の人でも理解できるようにするための工夫だと考えていただきたいと思います。そこで、「誤解を恐れずに言えば・・・」と言うタイトルになったのです。

文章に書くと長くなりますね。話すとわずか数分なのですが・・・。

今日からのテーマは「呼吸」です。

 そこで、誤解を恐れずに定義すれば、息を吸う行為(前回書いた、商売で言うところの仕込み)は、胴体(体幹)の容積を増やす事だと言えます。横隔膜や肋間筋についてはまだ先に書きますが、とにかく、息を吸うには、入る部分の容積を増やさなくてはならないのです。商品を仕入れるためにはそれなりの倉庫がないといけないという事です。

 では、体幹の容積を増やすためにはどうしたらいいのでしょう?そこで、体幹で拡がる事ができる部分を考えてみます。骨がある部分は肋骨を除いて、基本的にほとんど拡がる事ができません。拡がる部分を「お腹」と定義してしまいます。そこは体幹の中で『骨のあるところ以外』と大雑把に考えると、下の図のようなイメージになります。そこに息が入ると拡がりますonakanoryouiki.jpghirogaru.gif
 『骨のあるところ以外』は何でできているかというと、そう『筋肉』です。後日、解説しますが、主に「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」などの『腹筋群』です。さて、もう一度筋肉の性質のおさらいです。筋肉は力が入ると『収縮』します。つまり「縮む」のです。と言う事は、腹筋群に力が入ると「お腹」は収縮してしまい、拡がる事ができません。

 ここは大切なところですから、繰り返しましょう。『腹筋に力が入るとお腹は拡がる事ができない』のです。拡がらなければ容積は増えませんから、息が入る事はできません。『実験1』では皆さんに実験していただきます。先ほど大まかに定義した「お腹」に力を入れて引き締めて下さい。そして息を吸ってみて下さい。・・・

 ほとんど息が入ってこないはずです。何度か力の入れ方を変えて、息を吸ってみて下さい。どちらにしてもほとんど息が入ってこないはずです。中には「胸」や「肩」が上がった事に気がついた方もいるでしょう。それについては「胸式呼吸」のところで解説します。

 では『実験2』です。「あご」がダラ~ンと降りるように開けて下さい。そして、お腹に力を入れないように、軽く息を吸ってみて下さい。・・・

 すると今度はお腹がふくらんだはずです。そう、「容積」が増えたのです。二つの実験を交互に何度か繰り返してみて下さい。その結果、お腹に力を入れると「息が入りにくい」、お腹の力を抜くと「息が入りやすい」事が分かるはずです。

 もし、この実験が上手く理解できない人は、仰向け(お腹を上に向けて)に寝た状態で同じ実験をしてみて下さい。今度はハッキリ感じられるはずです。あぐらをかいて座った状態や、浴槽の中でも分かり易いと思います。理由は「腹式呼吸と胸式呼吸の」の回でご説明します。

 さて、今まで歌を歌うときに「お腹にしっかり力を入れて」息を吸っていた方はいませんか?私のところに初めてレッスンに来た人は、ほとんどがその状態です。たいていの先生が『しっかり息を吸って』とか『深く息を入れて』などと教えるので、それを実行しようとするとたいていの人が腹筋に力を入れてしまします。その結果、逆に息が入らない状態を作ってしまうのです。

 もう一つだけ実験をしておしまいにしましょう。『実験3』 皆さんが大変良くやりがちな方法で息を吸ってみましょう。最初は、素早く息を吸ってみましょう。何度か繰り返して下さい。どうですか?息を吸う際に腹筋が固くなって、思ったよりずっと息が吸えなかったのではありませんか?

 次は、強くたくさん息を吸ってみて下さい。これも何度か確かめて下さいね。同じ事が起きませんでしたか?

 そして最後は、鼻から息を吸ってみて下さい。良く訓練されている方はすんなり息が入るかもしれませんが、大多数の方は、やはり腹筋が固くなって息が入りにくかったのではありませんか?

 『しっかりお腹に力を入れて息を吸う』、大変よく言われる事ですが、筋肉の性質「力が入ると縮む」を知っていれば、これが間違いだという事は簡単に理解できますね。ブレスが上手く行っていない方のほとんどが、この症状を持っています。『息を吸う』とは『体幹の容積を増やす』と言う事で、そのためには『腹筋群の力を抜く』事が絶対条件なのです!

 では次回から、もう少し詳しく呼吸を解説していきましょう。

 更新が遅れて本当にごめんなさい!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:演劇

声の原料は・・・? [ミュージカル]

前回の更新から1週間以上経ってしまいました。先を楽しみにしていた方、ごめんなさい!
もちろん忙しかった事もあるのですが、こう言うパブリックな場で情報を書くのは、結構、神経を使います。間違った事を書くと、皆さんにも間違った知識が植え付けられてしまいますものね。

さて、今日からいよいよ技術的な解説に入ります。その最初は「呼吸」についてです。

そこで質問。今回のテーマでもある、声の原料って何でしょう?

・・・・・

分かりましたか?

今まで多くの方にこの質問をしましたが、様々な答えが返ってきました。「のど」「感情」「気持ち」etc.  一番多い答えが「空気」です。確かに広い意味では正解です。もっと正確に言うと「息」です。もっと厳密に言うと「呼気」(吐く息)です。まあここでは「息」としておきましょう。

 そのシステムは後ほど詳しく解説するとして、多くの方が誤解している点について指摘したいと思います。

先ず、例え話からです。
あるところにケーキ屋さんがありました。「今日は天気もいいから、頑張って80個ケーキを売ろう!」と思って、一生懸命に80個のケーキを作りました。ところが、残念ながらその日は20個しか売れませんでした。

 さて、あなたは残ったケーキをどうするでしょう?さすがに生ものですから、翌日売るというわけには行きません。最近は賞味期限や消費期限も厳しいですからね。そこで、生徒達に聞くと「家族みんなで食べる」と言う答えがあります。でも、60個ものケーキを食べられるでしょうか?多分、無理です。また、「近所に配る」と言う答えもあります。でも、近所に配ったら、お金を出して買った人は怒るでしょうし、もらった人はしばらくケーキを買わないかもしれません。

 ではどうするか?正解は『捨てる』です。大変もったいないけれど、翌日からの商売と衛生上の観点から、『捨てる』しかないのです。

 さて、お店のショウケースが空になったので、また翌日、ケーキ屋さんは頑張って80個のケーキを作りました。しかし、その日も20個しか売れませんでした。そこでまた捨てて、また作って・・・。

 これで商売は成り立つと思いますか?とても効率が悪いですね。

これは何の例えかというと、息を吸う量です。

前回も取り上げた「レ・ミゼラブル」の“オン・マイ・オウン”で考えると、リフレインの最初に出てくるフレーズは『一人』です。四分音符にして、たったの2拍しかありません。なので、ブレスも2拍分で足りるはずです。2コーラス終わって転調した直後も『知ってる』で、同様に2拍です。それなのに、私が聞いた多くの例では、次のフレーズの長さに関係なく、めいっぱいブレスをしています。そして、息がたくさんあると次のブレスができないので、一旦息を吐いてから、まためいっぱいブレスをします。そして余ったらまた吐いて、そしてめいっぱい吸う。この繰り返しです。

どうですか?無駄な努力をしているケーキ屋さんとそっくりではありませんか?

 このように、次のフレーズの長さに関係なく、毎回ブレスをめいっぱい吸う事は、非常によく見られます。何故そんな効率の悪い事をするのでしょうか?

 多分、答えは二つです。

 一つ目は、歌の教師がよく言う「息を深く吸って」「お腹に息をためて」などの言葉で、たいていの人は息を深く沢山吸わなくてはいけないと思い込んでいるのです。

 二つ目は、息を沢山、しかも苦しくなるほど吸うと「歌う用意ができた」と感じて、安心するのです。

 近くのコンビニにペットボトルのお茶を買いに行くとき、何万円も持って行くでしょうか?多分、百円玉2枚とか、他に買いたいものができたときのために千円札を持って行くとか・・・、そんなものでしょう。ブレスも同じで、次のフレーズが短ければ、ちょっとの量、ほどほどの長さなら、ほどほどのブレスをすれば十分です。もし、次がかなり長いフレーズなら、慎重に準備してブレスすればいいのです。

 みなさんは、次の事を考えてブレスをしていますか?有名な言葉に『ご利用は計画的に!』ってのがあるじゃないですか!!!ブレスの量も、ちゃんと次を考えて計画的にしましょう。

 さて、今日はもう一つ例え話を書きます。

前の話はケーキ屋さんでしたが、今度は「焼き肉屋さん」です。

 その焼き肉屋さんは、毎日の開店時刻が午後5時です。さあ、今日も5時になりました。早速お客さんが来ました。「いや~、今日は開店早々、調子がいいぞ~!」とご主人は嬉しそうです。ところが、冷蔵庫を開けてみると、肝心のお肉が品切れです。あわてて肉屋さんに注文します。ところが、何時も仕入れているお肉屋さんは「悪いけど、今日は忙しいから時間がかかるよ~」なんて言ってます。今日はお客さんが多いと思って、何時もより余分に注文したお肉が届いたのは、結局、閉店間際の午後11時でした。お客さんは沢山来たものの、お肉がないのでみんな怒って帰ってしまいました。残ったのは大量のお肉と、悪い評判だけでした・・・。

 こんな馬鹿な商売をする人はいませんよね!

 でも、歌ではこんな馬鹿な事をする人がいっぱいいます。

 と言うのは、息を吸うという行為は「筋肉を使う」事です。このことは次回以降、詳しく解説します。とにかく、筋肉を動かして息を吸っています。そこで、筋肉が動くための手続きを考えます。

 筋肉には「横紋筋(骨格筋)」「平滑筋」「心筋」の3種類があります。「平滑筋」「心筋」は自分の意志とは関係なく動きますので、ここでは、自分が自由に動かせる「横紋筋」について話をします。

 例えば(例え話ばかりで恐縮です)、あなたが自動車を運転しているとします。走っているときに突然、人が車の前に出てきました。ほとんどの人はとっさにブレーキを踏みます。(もしブレーキを踏まない人がいたら、多分、犯罪行為です)

 その時に、先ず、目で相手の人を見ます。次に、その電気信号が脳に伝わり、「ブレーキを踏め!」と足の筋肉に命令します。その命令が神経を伝わって足の筋肉を動かします。ここではブレーキが利き始めてから停止するまでの時間を無視しますが、それにしても、足の筋肉が動くまでに身体は複雑な処理をしています。相手の人を発見してから、実際に足の筋肉が動くまでに0.何秒かの時間が必要です。

 私は、人の多いところや危険なところでは、予測して注意深く運転しています。他の車が道路脇に停車していたら、隠れている人がいないかどうか、必ず車体の下から人の足が見えないか確認しています。そうやって「予測」することで、行動を速くできるようにしています。

 さて、歌っているときにブレスが間に合わなかった経験のある人はたくさんいるでしょう。あなたもそうですか?

 なぜ間に合わないか?理由は簡単です。

 譜面に四分休符があったとします。そこでブレスをしなくてはいけません。ところが、拍子が4/4でテンポ120だとすると、1分間に120拍刻まれるので、四分音符の長さが0.5秒となります。60秒÷120拍=0.5で、1拍あたり0.5秒の速さで進んでいます。と言う事は、ブレスするタイミングでブレスの事を考えたら、実際にブレスが始まった頃には休符の大半が経過している事になります。四分休符分のお休みにブレスをできるはずが、実際にはその半分以下しかブレスのための隙間がない、と言う事になります。

1分間に120拍の速さは、およそマーチ(行進曲)の速さです。また、スイングジャズなどもほとんどこの速さです。決して速いテンポではありませんが、それでもブレスは十分にできません。「サウンド・オブ・ミュージック」の“私のお気に入り(My Favorite Things)”は3/4拍子で、テンポはおよそ1分間に四分音符が200~220拍くらいです。つまり、1拍あたりの長さは0.3秒以下です。

この曲では4小節ごとに、かなり丁寧にブレスのための休符が用意されています。マリアと一緒に子供達が歌うので、リチャード・ロジャース(作曲家)が気を遣ったのかもしれません。しかし、ブレスのための時間がたったの0.3秒未満ですから、ブレスの時にブレスの事を考えたら、ブレスが間に合わない事は確実です。

ではどうすればいいのか?ブレーキと同じで、ブレスのタイミングが来る前に、予測して準備しておけばいいのです。そうする事によって、ブレスのための隙間を有効に使う事ができます。ビデオやMD、CDなどを再生するとき、ポーズボタン(一時停止)を押しておいてから解除すると、すぐに動き始めます。それと同じで、筋肉に命令を出しておいて、そのタイミングが来たらすぐにブレスできるようにしておくのです。

さて、みなさんはブレスを事前に意識していますか?それともブレスのタイミングが来たら慌ててブレスしていますか?

ちなみに、私はテンポがゆっくりの曲だと2拍以上前、速い曲だと2小節ほど前にブレスの用意を始めています。だって、『ご利用は計画的に!』って言うでしょ!!!

さて、次回はいよいよ皆さんが知りたい「腹式呼吸」の真実です。2週に3回くらいのペースですが、焦らずに待っていて下さいね!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

言葉と感情の一致! [ミュージカル]

さて、いよいよ第2弾です。

その前に、mixiに新しいコミュニティを作りました。タイトルは「ミュージカルを歌おう」で、URLはhttp://mixi.jp/view_community.pl?id=3325008です。このブログと連携して、ミュージカルの歌い方や声の出し方を研究していきたいと思います。

おな、このブログは私の研究や整理のため、と言う部分も少々はありますが、主な目的は、ミュージカルを勉強している方、実際に出演している方、これから学ぼうと考えている方達に、新しい考え方や視点を提供するためのものです。ですので、できるだけ皆さんが知っている有名な曲をサンプルとして取り上げます。有名でなくても素晴らしい曲はたくさんあります。それらを取り上げるのは、またいずれかの機会にしたいと思います。

さて、第1弾は感情表現の技術的分析でした。私は何時も技術的な解説から入っていくのに、今回はちょっと別な角度から入ってみました。そこで、第2弾も感情について書いてみます。

 タイトルの通り、「歌詞のある歌」の感情は、全て歌詞(言葉)によって規定されていると考えています。ミュージカルの場合さらに複雑で、ストーリーや作品のテーマがその歌詞の意味する方向性を決定しています。

 例えば、「愛してる」と歌っても、ストーリーから見ると「かわいさ余って憎さ百倍」で、相手を殺したい、なんて言うこともあり得るわけです。これについては一般的な演劇のセリフと全く同じ考え方でよいと思います。

 ミュージカルの稽古をしているときに、特に強く感じる事があります。それは、タイトルと同じく、言葉と感情が一致しているのかな?と言う事です。

 いくつか例を挙げてみましょう。

 先ず、言葉が「合い言葉」のように使われて、意味を持たない場合です。例えば、「キャッツ」でグリザベラが2度歌う“メモリー”です。1コーラス目の(余談ながら、これは和製英語ですね、英語なら1st Chorus)あたま、『メーモリー』で始まります。私が今までこの歌を聞いた経験では、『メモリー』の部分が単なる合い言葉のように使われていて、心の動きを感じた事があまりありません。

 歌う側にとっては「英語」なので、言葉としてとらえにくいのです。原詩では、「Midnight」が当てられていて、「Memory」は2コーラス目の最初です。英語の1コーラス目を意訳するなら、『真夜中、路地裏から音が聞こえないほど、ひっそりと静まりかえっている。月は自分の過去をなくしてしまったかのように一人微笑んでいる。街灯の明かりの中、落ち葉がかき集められ、風はうなりをあげはじめた。』こんな感じですかね。

 日本語の歌詞はこれとかなり異なっています。そして、実は『メモリー』の一言で、一人微笑んでいる月がなくしてしまった(本当は忘れた事にしている)、「過去の記憶」を全部表現しようとしています。ちょっと欲張りですが、英語の詞を日本語に訳してメロディーに当てはめる(訳詞する)場合、平均的に1/3か1/4しか意味を盛り込む事ができません。何故かというと、「I」を日本語にすると「わたし」もしくは「わたくし」で、英語の1音節に対して、3~4倍の音節が必要です。「get」だともっと多くて「手に入れる」になってしまいます。そんな訳で、どうしても訳詞は意味を省略せざるを得ないのです。

 そこで、『メモリー』と歌っているときには、過ぎ去った出来事や思い出について、ハッキリと感じていなくてはなりません。できれば、走馬燈のように回想シーンが目に浮かんでほしいものです。また、多分辛く苦しかったであろう過去の経験を乗り越えた今、どんな感情が湧いてきているのか、それを思っていて欲しいのです。でも、ほとんどの人が最初の『メモリー』を単なる「合い言葉」にしてしまっています。

 同じような例が、「アニー」で最も有名な“Tomorrow”です。『朝がくれば、トゥモロー』『トゥモロー、トゥモロー、アイ ラブ ヤー トゥモロー、明日は幸せ』沢山出てきます。ここでも『Tomorrow』が曲の題名と同じである事から、単なる語呂合わせか、合い言葉のように使われがちです。しかし、『Tomorrow』には「明日」だけでなく、文語的な表現では「将来」「未来」と言った意味が含まれています。

 世界大恐慌に対して、打つ手がなく行き詰まった、大統領をはじめとするホワイトハウスのスタッフにアニーが「明るい未来」の事を考えよう、と励ますのです。孤児で、それまでの人生で幸せとは縁遠かったアニーが、エリート達に対して発する言葉だけに説得力があるのです。重さがあるのです。この言葉に励まされたルーズベルト大統領は「ニュー・ディール政策」を打ち出して、恐慌からの復興を始めるのです。(劇中では・・・)

 また、『I love Ya』の『Ya』は『You』スラングで、つまり『あなたを愛している』ですが、その『あなた』の中には「世界の全ての人々」や「輝く未来」も含まれているのかもしれません。そうであるなら、『Tomorrow』と歌っているとき、『I love Ya Tomorrow』と歌っているときに、未来に対しての希望、憧れ、敬意、強い意欲etc.と人々へのメッセージが含まれていなければならないはずです。残念ながら、今までそんな意味や感情のこもった“Tomorrow”を聞いた事がありません。

長くなりますが、前回も引用した「ライオン・キング」の“Shadow Land”です。タイトルには、単に「日陰になった土地」という意味だけでなく、「悪意や不幸に覆われた世界」と言う意味が含まれているのは明らかです。であるなら、『Shadow Land』と歌っているときに、痩せ衰えて不幸が蔓延している故郷の大地が脳裏にハッキリと浮かんでいなくてはならないはずです。『Shadow Land、木々は枯れ、荒れ果てたふるさと』の歌詞は『Shadow Land』の情景を説明しているので、『木々は枯れ』『荒れ果てたふるさと』を順番に感じているのではないのです。最初の『Shadow Land』ではすでに全ての情景が浮かんでいて、それを語って行かなくてはなりません。皆さんは最初にふるさとの光景が出てきていますか?それとも歌詞の順に出てきていますか?

 ちょっと話は脱線するかもしれませんが、ここで「思考」と「言葉」の順序について説明しておきましょう。例えば「今日はいい天気だったね~!」と言ったとしましょう。言った本人は、言ってから「あ~、今日はいい天気だったんだ」と思うでしょうか?・・・、そんなはずはありませんね。言う前に「いい天気」と言う経験したイメージが心に浮かんでいます。それから言葉を発します。つまり、言葉を発するときには、そのセンテンス全体がイメージされていて、それを言葉に置き換えていく作業をしているわけです。

 その考え方で歌を見ていくと、とてもおもしろい事に気がつきます。例えば、やはり「キャッツ」の中のナンバー“ガス(Gus:The Theatre Cat)”を見てみましょう。歌い出しは『ガスは落ちぶれた芝居猫、何時もたたずむ楽屋口』です。英語だと『Gus, is the Cat at the Theatre Door』で意味は単純に「ガスは楽屋口にいる猫です」ですね。行った事のある方はお分かりだと思いますが、イギリスやアメリカの古い劇場にある楽屋口は、古ぼけてくすんだ煉瓦造りの壁に、無愛想な鉄のドアがはめられていて、単に「Theatre Door」くらいしか書いてありません。日本のように洒落た楽屋口ではなく、エントランスがなくていきなり道路に面している事なんて当たり前です。そんな薄汚れた楽屋口の脇に、仲間と話をしたいのか、酒をおごって欲しいのか、老いさらばえて(老いてよぼよぼになった様)毛もぼさぼさになった猫がいる。それを思い出して、歌は始まるのです。ですから、『ガスは落ちぶれた』、あ~、落ちぶれているんだ、『芝居猫』あ~、芝居に関係がある猫なんだ、『何時もたたずむ楽屋口』あ~、楽屋口にいるんだ!、などと順番に感じているわけではないのです。歌い始める前には、これから語る内容を全て思い浮かべていなくては、思考と言葉の順番が異なってしまいます。皆さんは歌を歌うときに、この「思考と言葉の順番」の法則で感じていますか?
 かなり余談ですが、『Theatre』は英語で、我々が普段使う米語では『Theater』ですよね。ちょっと違和感はあるかもしれませんが、私は『Theatre』に古めかしい印象を持つので、かなり好きです。古い建物に「Centre」と表記してある事も多いですね。初めて見たときは意味が分かりませんでしたが、もちろん「Center」の事です。

さて、書き始めると止まらなくなってしまいます。

まだまだ話は続きます。次は、言葉と感情についてもう少し掘り下げていきます。

 前回も引用した2曲を使いましょう。最初は「レ・ミゼラブル」の“オン・マイ・オウン(On my Own)”です。この曲は本当に切ない曲ですね。泥棒の首領の娘で、多分これまで悪い事や汚い事をさんざんしてきたはずのエポニーヌが、恋する男の前で一人の純真な乙女になってしまいます。この直後に、政府軍の兵士に撃たれて死んでしまうので、この作品特有の「魂の浄化」を描いているのです。母親のファンテーヌも死ぬ直前に「魂の浄化」が起こり、ジャン・バルジャンに娘の事を託して死んでいきますね。でも、最後のシーンで母娘が二人揃って、ホワイトライトに照らされながらバルジャンを迎えに来ます。いい作品ですよね・・・。ちなみに、ブロードウェーで6回観ました。

 ストーリーについて書きたかったのではありません。大脱線です。この曲のバースが終わってリフレインに入るところ。日本語では『一人、でも二人だわ、いない人に抱かれて~』です。これ、意味が分かりますか?一人は二人じゃないし、いない人に抱かれるわけがない!って思いませんか?でも、これが訳詞の制約です。英語の原詩を見てみると『On my own, pretending he’s beside me. All alone I walk with him ‘til morning. 』簡単に訳すると、『私の心の中では、彼がいなくても、私と一緒にいると思っている。たった一人で彼と一緒に朝まで歩く。彼がいなくても、彼の腕に抱かれているのを感じる事ができる。~』云々。

 つまり、『一人、でも二人だわ』を歌うときには、『私の心の中では、彼がいなくても、私と一緒にいると思っている。』まで全てが思考として頭の中で完成されていなくてはならないのです。この曲はオーディションで何度も聞きましたが、これをきちんと感じている方には出会った事がありません。多分、ほとんどの方は何の疑問も持たずに、このフレーズを歌っているのでしょう。日本語として完結していなくても平気なんでしょうね・・・。しかし、そこで言いたいのは、歌う目的です。何のために歌っているか。答えは「伝達」です。お客様や共演者に、役として、また、一人の人間として、自分の考えや感情、そして作品の理念や意図を伝える事です。自分が理解していない、感じていない事を、お客様に「感じろ!」と言うのは極めて無理があります。ですから、お客様に伝わらない事を嘆く前に、自分が本当に理解しているか?本当に感じているかを検討してみる必要があります。

 同じような例で、やはり前回取り上げた「美女と野獣」の“Home”です。バースが終わってリフレインに入るところ、『冷たく、幸せにも捨てられ~』で始まります。これも日本語としてはかなり厳しい線です。ストーリーを考えると、本当は『冷たく寂しいこの牢屋の中で、私は幸せにさえ見放されてただ一人~』と言った意味でしょう。そうだと仮定するなら、前の例と同様に、『冷たく』を歌うときには『冷たく寂しいこの牢屋の中で』まで感じていなくてはいけない事になります。ちなみに、この曲は英語の原詩と訳が大きく異なっていますので、原詩を理解や感情を規定するための参考にしなくてはけないものの、直接当てはめて考えるのは難しいでしょう。であればなおさら、原詩の持つ意味をきちんと理解する事はもちろん、作品のストーリーから、その歌詞は何を言いたいのか考えていかなければなりません。当然、ベルの性格や生い立ち、現在の心境などの「サブテクスト」(台本には現れないバックグラウンドのストーリー)を確実なものにしなくてはなりません。残念ながら、この作業をきちんと行っている役者さんは、まだまだ少数派でしょう。しかし、この作業はお客様に「伝える」ために行わなくてはいけない俳優の義務だと思います。

 さて、もう少しお付き合い下さい。同じく“Home”で、『冷たく、幸せにも捨てられ』に続くのは、『夢と望み、今はなく』です。『冷たく、幸せにも捨てられ』では『冷たく』でブレスをしなくてはいけません。何故かというと、『冷たく』は『幸せ』にかかっている(形容)のではなく、『捨てられ』にかかっている訳でもありません。『冷たく』は、『冷たく寂しいこの牢屋の中で』を表しているので、ここで意味の切れ目が必要です。しかし、次の『夢と望み、今はなく』ですが、原詩では『Never dreamed that a home could be dark and cold』となり、『Never dreamed』で意味、音楽両面から切れ目があります。音楽は詞のリズムや強勢、意味に沿ってできているのでこの切れ目が一致するのは当然です。ところが、この切れ目を訳詞に適用すると、『夢と』で切る事になり(ブレスする)、結果的に『夢と、望み今はなく』と、本来並立すべき歌詞が切れてしまいます。ですから、「伝達性」を重視して考えれば『夢と望み、今はなく』とブレスを入れるべきです。次のフレーズは『幼い日々の我が家のあの喜び』で、音楽的には『幼い』で切れています。しかし、『幼い』は『日々』にかかっているので、絶対に切る事はできません。『幼い、日々の我が家のあの喜び』となると、『日々の我が家』ってなんだ~!となってしまいます。切るとしたら最良は『幼い日々の我が家の、あの喜び』ですが、意味のつながりと音楽性を両立させるとしたら、『幼い日々の、我が家のあの喜び』に落ち着くでしょう。

 また、この曲の中で転調後に出てくる『束の間さえ留まらず』のフレーズは、音楽的に見ると『束の、間さえ留まらず』と切れますが、これだと意味が通じないばかりでなく、『束野 正恵』と言う人の名前に聞こえてしょうがありません。『束の間さえ、留まらず』と切るか、あるいは我慢して最後までつなげるかの選択肢しかありません。

 ついでにもう一つ、この曲の最後、『我が家』で終わります。『わ』『が』『家』と、三つの音にそれぞれフェルマータがついて、音を長くのばすように指定されています。実際、ブロードウェー版のCDを聞くと、確かにかなり伸ばされています。しかし英語の歌詞では『home and free!』となっていて、一つずつを伸ばす、更に一つずつ切ったとしても、全く問題なく意味がつながります。ところが、日本語で『わ・が・家』と、一つずつ伸ばし、切れ目を入れると、意味が分からなくなってしまいます。聞いている内に何の言葉だか忘れてしまうのです。ですから、日本語として認識できる、単語として認識できる長さ、速さにする事が必要です。英語で歌う場合より、伸ばせる長さはずっと短くなるのです。

 さて、このように「ブレス」は息を吸う作業だけでなく、意味の切れ目を作る大切な働きがあります。にもかかわらず、言葉のかかり方や意味を無視してブレスする人が沢山います。さらには、単語の途中でブレスする人さえいます。これは、紛れもなく意味が分かっていない証拠です。どんなに感情を込めて歌ったよう見せかけても、言葉の意味が分からなければ感情が起こるはずがありませんので、あ~、この人はふりをしているんだな・・・、と思われてしまいます。

 このブログを読んでいる方は、きちんと検討してブレスをとっていますか?歌を歌う際に必要なのは、何度も繰り返しますが「伝わる」事なのです。そのためには「言葉」をきちんと理解する事です。その行為に裏付けられた「感情」を使わなくてはならないのです。

 長くなりましたが最後に大切な事を書きます。芝居やミュージカルは「虚構」のものです。つまり「嘘」です。しかし、演じている側も、観ている側もそれが真実になる瞬間があります。それは言葉や歌が、演技者の本心から発せられた深い感情になったときです。「まね」や「ふり」で他の人を心から感動させる事はできません。

 これまでに述べてきた事を行うのは、演技者の当然すべき努めです。しかし、これらをきちんと積み重ねる事によって、より深い感情と役や作品に対する共感が湧き起こります。そして、その感情がお客様にストレートに伝わって、客席と一体感を感じられる瞬間ができます。その時、演技者は大きな達成感と幸福を感じる事ができるのです。

 では、それをどうやったら実現できるのか、を次回以降書いていく事にしましょう。次は「呼吸」です。

 このブログを読んだ感想やご意見、ご質問をお寄せ下さい。このブログにコメントして下さっても結構ですし、mixiのコミュニティ「ミュージカルを歌おう」http://mixi.jp/view_community.pl?id=3325008にコメントして下さっても結構です。mixiのコミュニティにぜひ参加してください。マイミク申請も大歓迎です!!!


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

いよいよ連載開始 テーマは『感情表現』 [ミュージカル]

★「ミュージカルを歌うために」のブログを再開するに当たって★

1年ほど前、このタイトルでブログを書いていましたが、スクールの廃校、事務所の移転、ミュージカル「ユイナシビト」の上演など、本当にてんてこ舞いの1年間で、ほとんど新しい記事を書けませんでした。

 また、肝心の歌うことについてよりも日々の雑感のようになってしまい、とりとめが無くなってしまいましたので、一旦、以前の記事を削除して新しいブログとして再開することにしました。

 このブログの目的は、ミュージカルに出演している方、現在、志して勉強中の方、これから学び始めたいと思っている方々のために、技術的な参考にしていただきたい事。心の動かし方や考え方の指針としていただく事。そして、自分が日々教えている事を文章化して整理するためです。方向性は決まっていますが、臨機応変に書いていこうと思っています。

 ご質問は大歓迎です。ミュージカルに関する声と歌の技術についてはほぼ論理的にお答えできると思います。ただ、文章は声を出したり身体を触ったりできないので、かなり制約があります。今後は画像や写真、できれば動画も載せていこうと計画しています。

 専門学校を一つ辞めましたので、時間的にはずいぶん余裕ができました。今回は週に2回くらいのペースで新しい記事を書いていけたらよいと思っています。ある程度まとまりましたら、構成、推敲を行って出版する予定です。

 さて、前置きが長くなりましたが、第1回目は私がこれまで教えてきた事と、かなり違う切り口で行こうと思います。もちろん、たどり着くところは同じですが・・・。

***********************************

● 第1回 「歌の感情表現とは?」

 私がこれまで携わってきた現場で(たいして大きなものはありませんが)大変よく見かけた光景があります。演出家や音楽監督、歌唱指導が俳優さんに向かって「もっと感情を込めて歌ってくれないかな~?意味分かってるの?気持ちが出ないと伝わらないんだよね・・・」と繰り返し要求する場面です。時には「君ね~、感情あんの~?」などと言う人格否定にもつながりかねない発言さえ日常茶飯事です。

 こう言われた役者さん達は、悔しいやら悲しいやらで、一生懸命に感情を込めようとし、心を動かそうとします。もちろん、歌詞の意味や場面の状況をちゃんと理解できていない人もいますが、誰にだって感情はあります。誠意も使って歌おうとします。でも、たいていの人は、心はあってもどうやって表現したらいいか分からないのが現実です。

 では、どうして観ている人、聞いている人に感情が伝わらないのでしょうか?

 そもそも皆さんは歌で感情表現をする時に、どんな要素を使っているか考えた事がありますか?聞いている人はどんな要素で心を揺すぶられるのでしょう?これが分からないと感情を具体的な表現にできません。

 いよいよ本題です。歌の中で感情表現をするために使っている要素を分析しましょう。

 要素は大きく分けて4つあります。

★ひとつ目は、音量の変化です。「美女と野獣」の中でベルのソロ「HOME」(我が家)で、『幼い日々の我が家の~』と言うフレーズがあります。この中の「幼い」だけを取り上げてみましょう。日本語の強勢から考えると、『お』から『い』に向かってだんだん小さくなっています。『い』はほとんど聞こえないレベルまで小さくなっている人もいるでしょう。つまり音量が変化しています。この例では、音量が変化しなければ日本語としてきわめて不自然です。
また、「ミス・サイゴン」のデュエットに「I Still Believe」という有名な曲があります。その途中に『いま、信じてる~』と言うフレーズがあります。『ま』の音は7拍のびていますが、一般的にはクレシェンドしてからデクレシェンドします。7拍のうち、出だしや終わりの音量と比べて、中間部分の音量はおよそ7~10倍にも及びます。ここでは、クレシェンド、デクレシェンドをしなければ、感情の変化が表せず極めて無機質な音楽になってしまいます。

★二つ目はテンポの変化です。「レ・ミゼラブル」のとても有名なナンバー、エポニーヌが歌う「オン・マイ・オウン」の出だしの部分(バース)、最初は『またあたし一人、行くところもないわ~』から始まります。この部分は、愛するマリウスの頼みで、やむなくコゼットの家に手紙を届けに行った後、やり場のない悲痛な心の叫びを表現するために、かなり速めの切迫したテンポで歌います。その後、転調して『人みな眠る夜、一人で歩こう~』の部分は、次に『あの人想えば幸せになれるよ~』と、マリウスを思い出して気持ちが和むので、少しテンポが遅くなります。同じテンポで歌ったなら、心境の変化は読み取れません。
 「同じ曲の中でリフレインに入ってすぐ『一人、でも二人だわ~』から2コーラス間のテンポと、転調して『知ってる、夢見るだけ~』のテンポでは後者がかなり速くなります。空想している自分と、現実に戻り「知ってる!」と強く言い切る自分の変化があるからです。

 もう少し細かい部分を見ていくと、やはりこの曲の最初『またあたし一人、行くところもないわ』のフレーズでは、『また』から『ところ』に向かってテンポをアップして行き(アチェランド)、『ないわ』でゆっくり(リタルダンド)します。次の『暖かい家も、あたしどこにもない』のフレーズでも『あたたかい』から『どこ』に向かってテンポアップし、『にもない』で落ち着きます。こうしてテンポの変化を作る事(揺れ)で、揺れ動く心を表現しています。音楽の世界では単に「動かす」と言えば音楽のテンポを揺らす事を指すほどです。

さて、もう少しお付き合い下さい。

★三つ目の要素は、音の長さの変化です。テンポの変化とも重なる部分があります。
 今度は男性の曲で、先ほどの「レ・ミゼラブル」の終盤に歌われる、マリウスの「人影のない部屋」(Enpty Chairs)の最初の部分、『言葉にならない』です。『言葉』を少しテンポアップしながら(音楽では進めると言います)入って『に』の拍を長目にします。これを「ためる」と言います。そして『ならない』を少し進ませます。すると、彼の無念さや贖罪の念が強く感じられます。まさに「言葉に詰まる」状態です。次のフレーズの『痛みと悲しみ』も同じ方法で『と』をためます。すると『痛み』『悲しみ』が強調され、まさに「悲痛な想い」が伝わります。ただ、どちらも『に』や『と』を長くする(テヌート)だけではかえってべったりとした音楽になってしまうので、拍は長くても音を短めにして「声に詰まる」感じを出さなくては意味がありません。
 別な曲では、「オペラ座の怪人」でクリスティーヌが歌う「墓場にて」の最初です。シンプルな前奏に続いて『涙こらえながら~』と歌い始めます。第1拍目の『な』をためます。すると、亡くなった父を想う悲しい心が深く伝わります。同様に次のフレーズ『いつも傍らで~』の最初の音『い』をためます。すると、生前は何時でも自分に適切なアドバイスをしてくれたお父さんが亡くなって、今は誰に相談することもできない、と言う悲嘆に暮れた心情が表現できます。
 逆に、音の長さを短くする事で表現できる事もあります。「マイ・フェアレディ」で最も有名な、イライザが歌う「踊り明かそう」で、最初の部分(バース)『もう、眠れないわ』の『も』と『う』を短めに歌います(マルカート)。楽譜でも8分音符、8分休符二つ、8分音符と、元々切れています。英語では『Bed』『Bed』と言い切る形になっています。『眠れないわ』も1音ずつマルカートに歌います。すると、心が弾んで興奮する様子が伝わります。バースはほとんどマルカートで表現します。ところが、リフレインに入ると『夜明けまでも~』からずっとなめらかに歌い(レガート)ます。それはどうしてかと言うと、英語の詞にもあるように『Spread Wings』つまり、羽を広げて夜空を飛んでいるくらいに解放されて高揚した達成感を表現しているからです。
 このように、音の長さは表現上でとても大切な要素です。

★やっと四つ目です。それは音色の変化です。例を挙げましょう。「ライオンキング」でナラが歌う「シャドウ・ランド」です。感動的なコーラスの前奏に引き続いて『シャドウ・ランド~』と歌い始めるフレーズです。『ラ』の音を7拍のばし、最後に子音の『nd』が入ります。このロングトーンではクレシェンドしてからデクレシェンドします。その大きくなった時に声の音色が非常に深くそして太くなります。それは心の底からわき上がってくる深い悲しみを表現しているからです。もし同じ音色でクレシェンド、デクレシェンドをしたら、すっかり興ざめです。この曲の中で、この方法は多用されています。もし納得できないなら同じ音色で変化させる実験をしてみて下さい。全く無機質なものになるはずです。余談ですが、何回かブロードウェーでこの作品を観た中で、偶然、前から二列目の完全なセンターに座った事があります。連れと二人で、いわゆる「センター割り」で観たのです。その時のナラがあまりにも素晴らしくて、「シャドウ・ランド」で延々と涙が止まらなかった覚えがあります。すみません、脱線して。
 さて他の例では、「クレージー・フォー・ユー」の中でポリーが歌う「エンブレイサブル・ユー/Embraceable You」の出だし(バース)『たずねて来たわ~』です。いろいろな男が自分を目当てにやって来たけれど、自分が思うようないい男は一人もいなかった!と言う事を表現するために、かなりきりっとしたちょっと固めの音色で歌います。ところが一転、リフレインに入る『抱いて、私のいい人~』からは、ポリーの女性的で官能的な本質を表すため、大人っぽくて深く柔らかい音色で歌います。ここから子供っぽい音色だとぶち壊しになってしまいます。 

長い文章にお付き合いいただいてありがとうございます。話すとすぐ終わりますが、書くと説明が長くなってしまいます。そのうち動画かヴォイス・サンプルをのせましょう。

 ここまで読んでいただいて、どうでしたか?皆さんは歌の「表現」が主にこの四つの要素からできている事を考えていましたか?歌の上手な人、表現力が豊かな人はこれらの要素を巧みに組み合わせて歌っているのです。

 では、多くの人がなぜ上手く表現できないのでしょうか?答えは簡単です。技術が伴っていないからです。テニスに例えるなら、ストロークだけ上手ければいいと言うものではありません。サーブもレシーブもボレーも、いろいろな要素が十分なレベルまで達しないと一流の選手にはなれないのです。しかも、試合の中で瞬時にその技術を発揮できるほど、完全に身についていなければならないのです。皆さんの歌の技術はどうでしょうか?

試しに、比較的わかりやすいロングトーンで実験してみて下さい。貴方の中音域で少し高めくらいがいいでしょう。8拍ほどのばして、その中でクレシェンドしてからデクレシェンドします。声の大きさがなめらかに、そして大幅に変化できたらOKです。上手くできたなら、逆の大きな声からデクレッシェンドして、その後クレシェンド、でも実験してみて下さい。上手く行けば音量が数十倍変化するはずです。でも、変化させようと思っても、ほとんど変化しない人も沢山いるはずです。それでは感情表現などとても望む事はできないと思いませんか?

でも大丈夫です。技術が最初から身についているはずなどないからです。ダンスを始めたばかりの人が、いろいろな技を使えないのと同じです。また、訓練方法が間違っていたなら、同じ事が起こります。そうだったら、訓練すればいいのです。間違っていたならやり直せばいいのです。貴方の素晴らしい感性と豊かな感情を表現するための技術を身につけましょう!

長くなりましたが、第1回目はここで終わりです。コメントや質問、大歓迎です。Mixiにも同様のコミュニティを作りますので、そちらでもご質問をお受けしています。

続く・・・


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

再出発 [ミュージカル]

ATNオフィスは2007年の5月に移転しました。

本日、ATNオフィスのホームページを更新しました。それに伴い、このページもリニューアルし、ミュージカルおよびミュージカル歌唱について特化したブログにします。

ATNのはhttp://atn-jp.comです。

こちらにも是非お立ち寄り下さい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇
- | 次の10件 ミュージカル ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。